日本が誇る企業としてさまざまなロゴマークがありますが、ネットで注目されているのが「YAMAHA」なんです。ヤマハ株式会社は、その前身「日本楽器製造株式会社」から現在の社名に変更しました。
ヤマハの歴史とロゴマークの由来
1897年、「日本楽器製造株式会社」という名前だったYAMAHAのロゴは鳳凰が音叉を咥えた姿が描かれています。このシンボルマークは「音叉マーク」と呼ばれていて1998年までの約100年の間に7回も変更されているようです。
ヤマハとヤマハ発動機の関係
楽器製作や音楽教室などを手がけるヤマハと、二輪車などを製造しているヤマハ発動機。もともとヤマハのオートバイ製造部門が分離独立し、ヤマハ発動機となった経緯があります。
両社のロゴは、音叉を三つ組み合わせたマークの隣に「YAMAHA」の文字が書かれています。ほとんど同じに見えますが、ヤマハがバイオレット、ヤマハ発動機が赤という違いは目立ちます。
音叉の先が円内におさまり、YAMAHAの「M」の文字の中央部分が下に付いていない、そしてロゴに使用されている各アルファベットの形が、おのおの左右非対称なのが「ヤマハ株式会社」のロゴマークです(ヤマハ発動機株式会社のロゴの各文字は左右対称です)
出典:ヤマハのホームページ
Mの真ん中浮いてるほう#自分をあり得ないほどの雑さで紹介する pic.twitter.com/BNoVYmHGuL
— ヤマハ 音楽部 (@Yamaha_ongakubu) 2015, 5月 26
一見、同じように見える2つのヤマハのロゴと書体ですが違うのを知っていましたか?
そして、話題になっているのが今回のヤマハのロゴマーク。上がヤマハ、下がヤマハ発動機のロゴなんです。
ヤマハの担当者に聞いてみた
なぜ、一見してわからないような点が異なっているのか? ヤマハ広報部の担当者に話を聞きました。
――ヤマハとヤマハ発動機の関係を教えてください。
「ヤマハは山葉寅楠が1887年に創業したのがはじまりです。1897年に『日本楽器製造』となり、1900年にアップライトピアノ、1902年にグランドピアノの製造を開始するなど、楽器製造を拡大する中で、商品には創業者の名前でもある『YAMAHA』ブランドを表記していました。その後、1955年にオートバイ製造部門が分離独立し、ヤマハ発動機が設立されます。かつてはヤマハがヤマハ発動機の親会社という関係でしたが、2007年に資本関係を見直して以降は、言わば兄弟会社の関係にあります」
――ロゴマークはどちらが先に制定されたのでしょうか
「ヤマハが先です」
――ロゴが微妙に異なっている理由を教えてください
「音叉マークをオートバイのホイールに見立てたことが違いの理由です。ホイールなので、全体がつながっている必要があり、ヤマハ発動機の音叉マークは内部の音叉が外周まで伸びています」
マークに込めた意味
――それぞれのマークに込めた意味を教えて下さい
「まずはヤマハですが、3本の音叉でヤマハの『技術』『製造』『販売』の3部門の強い協力体制を表すとともに、音叉に象徴される音・音楽を中心に世界(外円)にのびゆくヤマハのたくましい生命力を表しています。また、音楽の基本である『メロディー』『ハーモニー』『リズム』の調和という意味も込められています」
「ヤマハ発動機は、日本楽器製造のブランド名『YAMAHA』を社名としてそのまま採り入れ、同時にモーターサイクルのホイールをイメージさせる、外円で囲んだ三本の音叉を社章としました。ヤマハ発動機にとって音叉マークは、日本楽器製造と同じ『製造・販売・技術の連携によってたくましく世界にはばたこう』という意志を表現するとともに、今日ではさらに『お客さまの期待を超える価値の創造』『仕事をする自分に誇りが持てる企業風土の実現』『社会的な責任のグローバルな遂行』という三つの経営理念も表しています」